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矯正治療

当院が行う非抜歯矯正について

歯科矯正治療を望む目的は何か。一番は前歯がいり組んでいて(上下顎前歯部叢生と言います)見た目が悪いし、ブラッシングも面倒くさいからということだと思います。確かにそれは主たる理由になりますが、それに匹敵する位ムシ歯・歯周病対策の上で、歯並びが良い方が罹患率が少ないことが目的としてあげられましょう。


ただ現在の矯正治療は前歯部叢生のためにほとんどきれいに並んでいる犬歯(3番)のすぐ後ろの歯(4番)を上下左右4本を抜歯し、その間隙にいり組んでいる前歯や奥の臼歯(5・6・7番)を矯正移動させてきれいに並べるという治療法が主流的(8割程)に取り入れられております。


そうしますと本来上下左右臼歯部(4・5・6・7番)が4本ずつ存在する所1本ずつ喪失しますので、矯正後一生上下左右3本ずつの臼歯部で食生活を送ることになるわけです。歯並びはきれいになりましたが、矯正後長い人生を考慮しますとこれはどういうマイナス面を身体にもたらしていくのでしょうか。


まず口腔内から考えます。本来4本ずつある臼歯部が3本ずつになるわけですから、咬合咀嚼力1本当たりの負担が1.33・・倍の力を引き受けることになります。これは長年の間に咬耗(歯の摩耗)や辺縁隆線(歯の前後枠の外側から内側をつなぐ稜線状の隆起)・咬頭(歯の山部分)の破折が当然ながら起こってきます。すなわち歯冠高径(歯の高さ)の崩壊を助長していくのです。つまり臼歯部(側方歯群とも言います)の高径が低くなっていくので、それに対し上下顎前歯部は食物を噛み切るだけなので臼歯部ほどすり減らないため、下顎前歯部の上顎前歯部への突き上げのため、上顎前歯部の前方への傾斜移動、歯冠離開が長年の間に起こってきます。


また上下左右5・6・7番の歯の接触関係がくずれ、歯と歯の間が隙間の空いてくる場合があります。いわゆる後戻りです。口腔内では歯の間に物が挟まるようになったかなという認識です。これは加齢と共にある程度起こってきますが、その頻度が増すようです。


さらに、臼歯部が3本になったことによる咬耗の進行により咬合高径が崩壊し低下が進むことによる顔貌の微妙な変化です。つまり鼻の下から頤(オトガイ:下顎骨下前方部)までの距離がやや短くなる傾向が加齢と共に増す場合があります。いわゆるおじいちゃま・おばあちゃま顔貌(入れ歯を入れてないか、入れてても入れ歯の高さが低いことによる顔のつぶれたような顔貌)ほどまでには、全く行かないにしても多少その傾向が助長される可能性があります。ちなみにここで言う加齢とは10才~20才代で矯正を終わったとして、40才代以降の天然歯列(ご自分の歯並び)を有している方の場合を指しています。


次に矯正治療による全身への影響に言及します。まず挙げられるのが、頭痛・肩こり・腰の痛み・膝の痛み等です。こららの痛みの原因を作っている可能性があるということです。それは矯正治療のどこから来ているのでしょうか。前記したように矯正治療では健康な4番を4本抜歯する治療が普通に行われております。つまり矯正治療により5・6・7番が前方に平均で2~4mm移動します。もちろん前歯部叢生のいり組みが強い場合には4番の抜去されたスペースのほとんどを前歯部の正常な歯並びのために使用する場合もあります。が多数の症例では5・6・7番は前方に移動させ3番と接触させ歯列(歯並び)を隙間なく維持しようとします。


本来の7番の位置は咬合高径を維持する上で、また身体のバランス上で貴重な位置にあるのです。また位置が変わらなくても何度も言う臼歯部・側方歯が4本→3本になりますから、1本当たりの咬合咀嚼力負担過重のため咬耗が進み咬合高径が低くなることによる上記全身症状を伴うこととなります。


すなわち上記全身症状は5・6・7番が前方移動ししかも臼歯部咬合高径が低くなることで、前方移動しなくても臼歯部が3本になることによる咬合咀嚼力過重負担のため、咬合高径が低くなることでうながされるのです。この症状は4本4番を抜去した直後の歯科矯正中でも当然起こり得ます。


上記症状を矯正後はあるいは矯正中から保持したまま、原因がわからず整形外科に行ったり、整骨院に行ってマッサージを受けたりしている方を多数御見受けしています。マッサージを受けても一時的には良くなりますが、すぐぶり返すので行きつけになってしまうようです。もちろん整形外科・整骨院でも原因がわからず対処療法となっています。


もっとも病院等の頭痛外来でも頭痛の原因に、咬み合わせの異常とか咬合の低下が一因とは全くうたっていません。医科歯科の連携の無さもありますが、歯科の中でも歯冠高径の低下が招く疾患・症状を的確に把握できていません。それが矯正治療着手時点での4本抜歯がいまだに続いているいる理由です。


従って当医院では、余程のことがない限り4番4本抜歯の矯正は行なっておりません(非抜歯矯正)。抜く場合には、8番、俗にいう親知らずです。8番を抜歯して抜いたスペースに4・5・6・7番を遠心移動(後方移動)するのと、歯列弓(特に前歯部の治まる幅)をおかしくない範囲でやや大きくして上下顎それぞれ14本収める矯正治療をしています。治療期間は4本抜歯よりややかかりますが、矯正後加齢的変化は別として咬合高径が変わることなく、全身症状も起こりません。
以上ですが、ただ咬み合わせ、口腔状態は人それぞれ違いますので、まずはご相談のみでも受け付けております。