インプラントImplant
インプラントのご紹介
インプラント歯とは
失われた歯を補うべく、顎骨(上顎骨・下顎骨)の抜歯されて歯のない所に、チタン合金製の人工歯根を植立(埋入)し、そこから顎骨上に出た円柱状の金属部分に歯肉のラインに沿って、人工歯(セラミック・金属歯等)をかぶせて、無くなった歯が再生されたと同様の感覚で食べ物を咬むことができる優れ物です。
口腔内に存在するのは、歯冠(人工歯)であり、歯根(人工歯根)なので、形態・機能的にもまさに天然歯がよみがえったような使用感です。
従来の方法は、失われた歯の両脇の歯を削ってブリッジとして,真ん中に人工歯を補う方法か、取り外し式の入れ歯(義歯)のどちらかの方法でした。
どちらも歯の欠損部だけの処理では、人工歯が口の中で維持・機能できないため、削った隣接歯にかぶせ物(金属冠等)をしたり、金具(クラスプ)を引っかけたりで、装置が大きくなってしまい、特に義歯では反対側の口の中まで装置が伸びることがあります。
そのため維持を求められた歯は、年単位でやがてむし歯・歯周病に陥り、抜歯を余儀なくされるケースも往々にして起きて来てしまいます。
それに対し歯科インプラント治療は、失われた歯の部位の顎骨のみで処理できる治療法であり、ブリッジや入れ歯のような付属物がなく、形の上でも機能的にもほとんど天然歯に近いものが得られます。
インプラントの対費用効果と従来方法との比較
インプラント治療にかかる費用のほうですが、かぶせ物(被覆冠)まで入れますと、1本30万〜50万円ほどかかってきます。
ただし人生という長いスパンで見れば、生きている間、歯と同様に咬め、健全な食生活が営まれるという大きなメリットがあります。
入れ歯やブリッジでも長きにわたり、良好に使われている方も多々いらっしゃいます。
ただ一方で、長い間入れ歯によって下記のような苦労している方もまた、多いのも事実です。
- 土手(顎堤)に当たって痛い・土手が押されて沈下し、食べ物が入るようになった
- 入れ歯の歯がすり減ってよく物をすりつぶせない
- 入れ歯が割れてしまった
- 金具が折れてしまった
- 金具がかかっている歯(維持歯)が動揺し始め、入れ歯に力が入らなくなった
- 維持歯がむし歯になり、かぶせ直ししたため、金具が合わなくなった
- 入れ歯に汚れがこびり付いて取れない
- 入れ歯が臭う 等
ブリッジも同様に、下記のようなお悩みを抱えがちです。
- ブリッジの下や間に食べ物が始終はさまって気になる
- ブリッジ周囲の歯肉が腫れて痛い
- ブリッジを支えている歯が痛くなり、ブリッジをはずさざるを得ない
このように、欠損部人工歯の回りの付帯物の違和感・損傷で、結局入れ歯およびブリッジ全体が使用できなくなってしまい、やがて総入れ歯(総義歯)に近づいていくと言うパターンの方が数多く見受けられます。
良好に使用されている方でも、長年にわたると、かぶっている歯や金具がひっかかっている歯が、自覚の無いままむし歯や歯周病に犯されているケースがかなりあります。そして入れ歯では、前述したように顎提が押されて沈下するのと、人工歯が摩滅するのとで、完全には食べ物をすりつぶせなくなります。
そうなると咀嚼力が落ち、結局残っている歯に偏って噛まざるを得なくなります。
こうして、二重の過重負担(入れ歯を支えている負担と、頻回なる咀嚼力負担)を強いられた残存歯は、負担に耐えきれず抜歯・喪失ということになってしまいます。つまり、従来の方法では残存歯に負担を求める設計になっているのと、清掃が行き届きにくい環境になるのが問題です。
インプラントを採用する上での注意点
インプラント歯の利点は、前述しましたように、隣接歯(残存歯)はそのままで負担を掛けることなく、ほとんど快適な食生活を長きにわたり維持できることです。
もちろん問題がないわけではありません。
口腔内清掃が常に不完全だと、天然歯がそうであるように、インプラント歯も回りの歯肉が腫れ骨が吸収してきて、インプラントそのものが抜けてしまうことも起こりえます。
しかし、しっかりと天然歯と同じようにメンテナンスをすることで、半永久的に使える性能をインプラントは持っています。身体の一部とも言えるインプラント歯は、口内だけにとどまらず全身の健康に一役も二役も支っています。
例を挙げますと、
1)消化器系疾患の予防・改善良く噛み砕けることが消化をうながす
むし歯・歯周病治療が前提です
2)整形外科的疾患の予防・改善 肩こり・頭痛・腰痛・背骨のゆがみ・膝痛の改善および予防
1:上下顎左右の咬み合わせのバランスが取れる(上下顎水平的咬合高径が長い間安定する)
2:咬み合わせの高さを保持できる(上下顎垂直的咬合高径が長い間安定する)
1・2の口腔内状態を長期に渡り持続、満足することが、上記腰痛や膝痛等の症状改善・予防に貢献します
3)認知症(痴呆症)の予防・改善
良好な咀嚼機能が、顎顔面領域の正常な神経・血管・筋肉の機能をつかさどり、頭部への血流量の保持・増進を促し、脳の機能保持・活性化に役立っている
→ 咀嚼は、脳に血流を送るポンプ機能とも言われている また咬合力の刺激が、骨伝導により頭蓋骨に伝わり、脳の機能保持・活性化に役立つ
4)顎関節症の予防・改善
上下顎の左右の歯冠高径保持、垂直的高径保持がポイントです。
長期的に見た場合にメリットが大きい
先に挙げた疾患に、口腔内の咀嚼機能が原因の一つと考えられる場合、欠損歯部にインプラント歯を利用することはかなりの有用性があります。
年を重ねることで治療に費やされるであろう費用と時間から解放され、健全な生活を中年期〜老後に渡って維持し得る確率は、良好な咀嚼機能を保持・改善することで、かなり高まるであろうと推測されます。
またその健康な咀嚼機能が食生活の幅を広げることから、身体の免疫機能を維持することにつながります。
三大疾患の一つである”がん”予防にも貢献するものと考えられます。
すなわち歯科疾患がある場合、必要あらばある程度の費用と期間をかけ、最終的に正しい咬合関係と良好なる咀嚼機能を獲得しうることが、先々起こるかもしれない疾患の予防に役立ちます。また起こってしまった疾患の改善・再発防止にもプラスに働き、トータルで考えると掛けた費用以上の効果や快適さ、通院によって消費される時間の軽減が期待できます。
決してインプラントはお手軽で安いものではございません。
しかし、相応に計画性を持って採用することで長期に渡ってメリットが得られる治療法なのです。